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観測者の机のフラットレイ。真鍮のデスクランプ、ヴィンテージの双眼鏡、開いた革表紙の手帳と万年筆、古い新聞紙、コーヒーカップ。
OBSERVATORY / 観測室

サルだけじゃない──
東京都心で進むハクビシンの定着

観測日:2026年5月17日出典:FNN(5月14日配信)カテゴリ:都市進出家獣ラボ編集部(運営:株式会社ドゥアイ)

GW明けの東京を、野生動物の目撃が立て続けに走った。青梅のサル、港区赤坂のハクビシン、江東区のアライグマ。サルの派手な映像の裏で、ハクビシンは静かに、しかし確実に都心へ定着しつつある。今回の連続事案を、家獣ラボは公的データの側から読み直す。

2026年5月、都内で何が起きたか

ゴールデンウィーク前後の東京で、野生動物の目撃情報が連続した。日付順に整理すると、家獣ラボが扱う5匹のうち2匹が、都内で立て続けに確認されていることが分かる。

1
5月4日(GW中) 東京都心の港区赤坂で、ハクビシンが目撃された。住宅街を移動する姿が住民により確認されている。
2
5月8日 江東区が公式ホームページで「ハクビシン・アライグマの目撃情報」を公開。区は住民に対し「餌を与えたり、触ったりしない」よう注意を呼びかけている。FNNプライムオンラインの取材によれば、江東区での目撃報告は4月だけで29件に上る。
3
5月13日 東京・青梅市の住宅街で、サル2匹が電線を伝って移動する様子が撮影された。住民は「30年住んでいて初めて見た」と驚きを語る。約1時間後、JR河辺駅付近の住宅街でも目撃された。

メディアの注目はカメラ映えするサルに集中したが、ハクビシンとアライグマの目撃も、同じタイミングで、しかも都心ど真ん中で確認されている。家獣ラボは、5匹を扱うメディアとして、後者に目を向ける。

サルの陰で進む、ハクビシンの都心定着

今回の連続事案で家獣ラボが注目したのは、ハクビシンの目撃地点が 港区赤坂・江東区 という都心ど真ん中だったという事実だ。

東京都環境局は2026年4月時点の公式見解として、次のように記している。

東京都環境局・公式見解(2026年4月時点)

ハクビシンは区部のほぼ全域に分布

「ハクビシンは多摩地域だけでなく、区部のほぼ全域に広く分布していると考えられている。」アライグマについても「多摩地域を中心に増加を続けており、最近は区部における生息範囲の拡大がみられる」と記載されている。

「ハクビシンは郊外の害獣」というイメージは、もう更新する必要がある。都心マンションの街区でも、ベランダ・屋根・天井裏は十分にハクビシンの活動圏に入る。

東京都環境局のデータによれば、ハクビシン・アライグマの相談件数(目撃情報および被害情報)は 区部・多摩地域ともに年々増加 しており、現在 都内51自治体 が「東京都アライグマ・ハクビシン防除実施計画」(平成25年策定)に基づく対策に取り組んでいる。江東区が4月だけで29件の目撃報告を受け、ホームページで目撃情報マップを公開している事実そのものが、自治体レベルで対策が必要なフェーズに入った証左である。

サルの目撃は2026年5月の象徴的なシーンとして注目されたが、社会的にも経済的にも影響が大きいのは、静かに分布を広げているハクビシンとアライグマの方だ。

都心住民にとって、この出来事は何を意味するか

「うちは都心マンションだから関係ない」── この前提は、もう通用しなくなりつつある。

家獣ラボが従来5匹(ネズミ・ハクビシン・アライグマ・コウモリ・イタチ)に対して提案してきた基本動作は、都心物件においてもそのまま有効だ。

1
隙間封鎖 ベランダ天井の換気口、エアコン配管周りの隙間、屋根と外壁の取り合い部分。3cmの隙間があればハクビシンは侵入する。マンションでも侵入経路は存在する。
2
誘引源を断つ 屋外に放置された生ゴミ、ペットフードの夜間放置、家庭菜園の収穫忘れ。果実・残飯はハクビシンとアライグマを強く誘引する。
3
触らない、餌を与えない 江東区も注意喚起している通り、捕獲・接触は感染症リスク(レプトスピラ症・疥癬など)の観点でも避ける。野生動物としての法的扱いもある。

サルを目撃した青梅市の住民は「今クマも街中に来るから、サルが来てもおかしくないのかな」と語っている。野生動物の都市進出は、もはや郊外や山間部だけの問題ではない。

家獣ラボは、家屋に侵入する5匹の哺乳類(家獣)を扱うメディアとして、都心居住者に向けたハクビシン・アライグマ対策の情報整理を、引き続き強化していく。

Sources

出典・参考情報

観測室の論評は、家獣ラボ編集部による独立した分析です。一次ソースの内容を要約・引用していますが、家獣ラボ視点の解釈は当該メディアの公式見解とは異なる場合があります。

家獣の都市進出を、もう一段深く

ハクビシンやアライグマの生態、侵入経路、駆除の判断軸は、各専用ガイドで体系的に整理しています。都心居住の方も、まずは家獣ラボの基礎情報から。